1989年現在のドイツ商法における合名会社と合資会社

山田晟著、「ドイツ法概論III 商法・労働法・経済法・無体財産権」(第3版)、1989年9月、有斐閣、より、1989年現在のドイツの商法における合名会社と合資会社の説明を参考までに簡単にまとめておきます。ヴェーバーの時代、そして2019年現在でこれらの規定がどう違っているのかは未確認ですが、おそらくは大きな違いはないと思います。

1.合名会社 Die offene Handelsgesellschaft
・共同の商号(Firma)のもとに完全商人として商業を営むことを目的とし、かつ各社員が連帯無限責任を負担する会社である。
・商法に特則のないかぎり民法の組合に関する規定が準用される。
・(ドイツ法では)法人ではないが(日本では法人とされる)、共同の商号のもとに商業が営まれ、商号のもとに権利を取得し、義務を負担し、土地に対する所有権その他の物権を取得し、かつ訴訟能力を有する。
・故に民法の組合よりも統一体としての性質が顕著で、法人に近い。
・商号には社員の氏名の一部と会社の存在をしめす文字または総社員の氏名を含まなければならない。
・社員間の契約(定款)によって成立するが、第三者に対しては商業登記簿への登記が必要。

2.合資会社 Die Kommanditgesellschaft
・(Moritz記)Kommanditは動詞kommandierenの名詞形で、命令する、指揮する、転属させる、の意味。語形からみて、commendaの意味が含まれている可能性が高いと思われる。
・合名会社と同じく共同の商号のもとに商業を営むことを目的とするが、無限責任以外に、有限責任社員(自己の出資の範囲を上限として限定した責任を負う社員)を有する点が合名会社との違い。
・特則がない限りは合名会社の規定が準用される。
・有限責任社員は会社を代表する権限を有しない。
・無限責任社員が個人ではなく有限会社の場合は、有限合資会社(GmbH)となる。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です