「浜の真砂は尽きるとも、世に折原訳の誤訳は尽きまじ」
ともかく、ありとあらゆるタイプの誤訳のオンパレードでまるで誤訳の百貨店です。
(1) Soweit diese Gruppe sich nicht の nichtを見落としてまるっきり逆に訳しています。
(2) (じっさいには、さまざまな個別の宗教類型)も意味不明です。ここは宗教改革期に登場した様々な形の信仰形態の一つの担い手、という意味です。
(3) 「彼らの役割が後々まで効力を保ったことは絶えてない 。」も dauernd を2回訳しているような変な訳で、「継続的な影響は持たなかった」と言っているだけです。
(4) 単に「信仰分裂」と訳しているけど、この前に「東西教会分裂」のことが出てきていて、それとは違う宗教改革のことなので、注釈(括弧書き)が必須です。
(5) 「両義的な態度を取った」と書くと個々人がアンビヴァレントな態度を取ったように解釈されますが、ここでは人文主義者全体として分裂していたことを言っているだけ。
原文
Vornehmlich ideologische Motive bedingten ihr zwiespältiges Verhalten bei der Glaubensspaltung. Soweit diese Gruppe sich nicht in den Dienst der Bildung der Reformations- oder Gegenreformationskirchen stellte, wobei sie in Kirche, Schule und Entwicklung der Lehre überaus wichtige organisatorische und systematisierende, nirgends aber die ausschlaggebende Rolle spielte, sondern soweit sie Träger spezifischer Religiosität (in Wahrheit: einer ganzen Reihe von religiösen Einzeltypen) wurde, sind diese ohne dauernde Nachwirkung gewesen.
折原訳
信仰分裂のさいに彼らが両義的な態度をとったのは、主としてイデオロギー的な動機からであった。なるほど、人文主義者の集群は、改革派教会あるいは対抗改革派の宗教性の形成に関与したかぎりで、[創始期には]教会・学校および教説の発展に、ずば抜けて重要な組織化と体系化の役割を担った。しかし、そうでないかぎり、なにか決定的に重要な役割を果たしたことは、どこにもない。むしろ、人文主義者が、特定の宗教性 (じっさいには、さまざまな個別の宗教類型) の担い手となったことは、あるにはあるが、そのかぎりにおいても、彼らの役割が [創始期を越えて]後々まで効力を保ったことは絶えてない 。
丸山訳
何よりもイデオロギー的な動機が、信仰分裂[宗教改革]においての人文主義者の間での分裂した行動を条件付けた。こういった人文主義者のグループが、改革教会または対抗改革教会の形成に関与しなかった限りにおいては、その際にその者達は、教会・学校と教説の展開において、非常に重要な組織的で体系を作り上げるような役割は演じたが、しかし何処においても決定的な役割は演じなかったのであり、そうではなくてその者達が特別な信仰(実際は:全ての宗教的個別タイプの集まりの中のいずれか)の担い手になった場合に限っても、その役割は継続的な影響を持つことがなかった。
