本サイトは、日本のマックス・ヴェーバー研究における様々な有用なコンテンツの提供を目標としています。特にその中でも次の3つを優先的に検討しています。
(1)「経済と社会」の折原浩仮説に基づく配置によるドイツ語テキストの提供。
東京大学名誉教授の折原浩さんは、マックス・ヴェーバーの大著の「経済と社会」について、10年に及ぶ長期の研究で「前後参照句の参照先の確認」「意味的な理解」を行って、「理解社会学のカテゴリー」を旧稿の「頭」とする再構成仮説を提示しました。しかしこの仮説は、パウル・ジーベック社の現行の全集では採用されず、「理解社会学のカテゴリー」は科学論文集の巻に、その他の部分はテーマ別に5つの巻に分けられて配置されました。このサイトでは、既に著作権の切れているヴェーバーのドイツ語テキストを折原氏の仮説の順番に配置して提供し、日本の読者の学習の便宜を図りたいと思います。さらに折原仮説の裏付けには重要な「前後参照句」については、ハイパーリンクを追加し、該当箇所にすぐジャンプ出来るようにします。また著作権者の了承がもし取れるのであれば、可能な限り日本語訳も収録しければと思っています。
(2)ヴェーバーのまだ日本語訳されていない論考の日本語訳の提供
ヴェーバーの著作は、「倫理」論文や「客観性」論文が何度も日本語訳される一方で、ヴェーバーの全体像の理解には避けて通れない最初期の2論文が未だに日本語訳が出ていません。具体的には、Zur Geschichte der Handelsgesellschaften im Mittelalter (1889)「中世合名会社史」
Die römische Agrargeschichte in ihrer Bedeutung für das Staats- und Privatrecht (1891)「ローマ農業史 国法と私法への意味付けにおいて」
の2つです。このサイトでは、「中世合名会社史」の方をまず、英語訳の助けを借りながらオープンな日本語訳として提供することを検討しています。ここでもドイツ語と日本語訳の両方を掲載していき、訳に不安がある箇所はその旨を明記し、見た方からのアドバイスを請いたいと思います。
(3)その他のヴェーバー関係の有用な情報
ヴェーバー自身の著作リスト、また日本語訳やヴェーバー関連論考のリストも可能な限り提供していきたいと考えています。