ドイツ語翻訳ツールとしてのChatGPT

ChatGPTは外国語翻訳ツールとしては非常に有用で、例えば英語のメールを作成させるのでも、従来は日本語メール作成→翻訳という手順が必要でしたが、ChatGPTでは「~という内容の英文メールを作成して」で済み、そしてかなり程度の良いものを作ってくれます。
また純粋な翻訳ツールとして見た場合でも、従来のGoogle翻訳などに比べてはるかに精度的には上がっています。従来の翻訳ツールは要するに語学的な翻訳ツールでしかありませんが、生成AIは背後に膨大な世界知識を持っていますので、それが翻訳の質に大きく貢献しています。
以下、「ローマ土地制度史」の序文の所の、ドイツ語-ChatGPTの日本語訳-拙訳です。精密な解読というレベルではもちろんなくかなり端折った訳ですが、ざっとどういう内容が書いてあるかの理解には十分使用可能と思います。「農業」と訳されている部分の多くは正確には「土地制度」ですが、これは人間も間違えていますので、仕方がないかなと思います。

Vorbemerkung.
Die nachstehenden Untersuchungen können wohl nicht den Anspruch erheben, vollkommen das zu halten, was der Titel verspricht. Sie behandeln verschiedene Erscheinungen des römischen Staats- und Privatrechts unter einem einseitigen Gesichtspunkt: dem ihrer praktischen Bedeutung für die Entwickelung der agrarischen Verhältnisse.
Die ersten Kapitel versuchen den Zusammenhang der verschiedenen Aufmessungsformen des römischen Ackers mit dessen staats- und privatrechtlichen Qualitäten und die praktische Bedeutung dieser letzteren klar zu legen; sie unternehmen es auch, durch Rückschlüsse aus späteren Erscheinungen eine Anschauung von den Ausgangspunkten der agrarischen Entwickelung Roms zu gewinnen, und ich bin mir bewusst, bezüglich dieser Partien der Darstellung dem Vorwurfe mich auszusetzen, vielfach wesentlich konstruktiv verfahren zu
sein. Indessen dass die Konstruktion auf diesem Gebiet entbehrlich sei, wird nach Lage der Quellen niemand behaupten wollen, und gerade auf dem Gebiet der Agrargeschichte gibt es Fälle, wo man mit Schlüssen aus der »Natur der Sache« weiter kommt und relativ sicherer geht als auf anderen Gebieten. Die Organisation agrarischer Gemeinschaften bietet eben, wenn gewisse Grundlagen feststehen, nur eine beschränkte Zahl von Möglichkeiten. Es war nun hier die Aufgabe, rein experimentell zu untersuchen, ob, wenn man diejenigen Saiten des römischen Agrarwesens, welche unter dem Schutt der Jahrtausende für uns noch erreichbar zu Tage liegen, gemäss den jedem
Agrarhistoriker geläufigen Begriffen anschlägt, welche die Grundlage anderer indogermanischer Agrarverfassungen bilden, sie Accorde ergeben, oder ob sie sich stumm oder geradezu disharmonisch dazu verhalten — und ich möchte glauben, den Eindruck erreicht zu haben, dass ersteres der Fall ist. Es ist zunächst der Nachweis versucht worden, dass die Art der feldmesserischen Behandlung des römischen Bodens überhaupt in festem Zusammenhang steht einerseits mit den öffentlichrechtlichen Beziehungen der betreffenden
Territorien, andrerseits mit den privatrechtlichen Verhältnissen der Grundstücke. Inwieweit es dabei gelungen ist, die Art dieser Beziehungen im einzelnen nachzuweisen, ist mir zweifelhaft, es scheint mir aber schon ein Gewinn, wenn — wie ich glauben möchte — der Nachweis, dass ein Zusammenhang überhaupt besteht und zu ermitteln ist, als gelungen gelten kann. Stimmt man dem bei, so wird man, hoffe ich, auch den bunten Strauss von Hypothesen, welcher an diesem Punkte in die Darstellung hineingeflochten ist, und zahlreiche, vielleicht in der Form nicht immer vorsichtig gefasste Bemerkungen allgemeinerer Art mit in den Kauf nehmen oder doch milder beurteilen: das Bestehen eines Zusammenhanges zwischen zwei historischen Erscheinungen lässt sich nun einmal nicht in abstracto, sondern nur so zur Anschauung bringen, dass eine in sich geschlossene Ansicht über die Art, wie dieser Zusammenhang sich konkret gestaltet habe, vorgetragen wird.

ChatGPT
前書き:
以下の研究は、タイトルが約束することを完全に守ることを主張することはできないでしょう。それらは、一方的な視点でローマの公法と私法のさまざまな現象を扱っています。具体的な農業関係の発展における実用的な意義について述べます。最初の章では、ローマの土地測量方法とその公法的および私法的な性質、およびこれらの後者の実用的な意義の関連を明らかにしようとします。また、後の現象からの推論を通じて、ローマの農業発展の出発点についての観点を得ることも試みます。私は、この記述の一部において、多くの点で本質的に建設的な方法を取っているという非難を受けることについて自覚しています。ただし、情報源の状況を考慮すると、この領域での構築が不要であると主張する人はいないでしょう。農業史の領域では、「事柄の本質」に関する結論を他の領域よりも確実に導くことができる場合があります。特定の基礎が確立されている場合、農業共同体の組織は限られた可能性しか提供しません。したがって、ここでは実験的に、ローマの農業制度の弦が、数千年の土砂の下で私たちにまだ到達可能なものであるかのように、各農業史家にとって一般的な概念に基づいて鳴らされる場合、それが調和したコードを形成するか、無音またはまったく不調和な関係を持つかを調査することが目的でした。そして、私は前者の場合が起こるという印象を与えることができたと信じています。まず、ローマの土地測量の方法の性質が、関連する領域の公法的な関係と土地の私法的な関係と密接に関連していることを証明しようとしました。具体的な関係の性質を個別に証明することがどの程度成功したかは疑問ですが、関連性が存在し、それを特定することができることを証明できたと考えれば、それだけでも収穫です。それを認めるならば、私は、この段階で挿入されたさまざまな仮説や、おそらく常に慎重に構成されていない一般的なコメントを受け入れるか、少なくとも寛容な判断をすることを期待しています。歴史的な二つの現象の間に関連性が存在することは、抽象的にではなく、具体的にその関連性がどのように具体的に形成されたかについて統一された見解を示すことでしか視覚化することはできません。

拙訳(注釈類を削除)
序文
以下の研究においては、人がその表題から期待するような内容を完璧に行うことは、まったくもって約束出来ない。この研究はローマの国法と私法に関する様々な諸事実をある見地、即ちそれらが様々な土地制度の発達を促したという実質的な意義という見地から取上げる。

最初の章では次のことを試みている。つまり、ローマでの耕地に対する様々な測量方法とそれらの耕地自体との相互関係を明らかにすることと、そしてその耕地の国法および私法においての価値評価方法と、更にはその価値評価方法が持っていた実際的な意義を解明することである。そこではまた、次のことも試みている。つまり、後代の諸事象からの帰納的推論によって、ローマにおける土地制度の発展の出発点についての見解をまとめることである。その際に私は次のことについては自覚しているつもりである。つまり、この最初の章の記述において、本質的にはひたすら何らかの仮説や理論を作り出そうとしているだけではないかという非難を受ける可能性が高いということである。だからといって、この領域においての仮説・理論構築的なアプローチが無駄であるなどとは、この時代の文献史料の状態を知っている者は誰もそうは言わないであろう。そしてまさに土地制度史の領域においては、次のような場合が存在するのである。つまり、「事物の本性」 からいくつかの結論を得て先へ進み、他の領域におけるよりも相対的に見てより確からしさを高めることが出来た、そういう場合である。土地所有ゲマインシャフトの諸組織は、いくつかの条件が満たされている場合には、まさに限定された種類のものが存在していた可能性を確認出来る。ここでは純粋に実験的な研究を、次のテーマについて行うということが課題であった。そのテーマとは、ローマの土地制度の本質のある一面として、何千年紀の間の時間の中瓦礫に埋もれながらなお何とか我々に把握出来る状態にある史料類を、すべての土地制度史家におなじみの概念に沿う形で評価しようとする場合と、その本質として他のインドゲルマンの土地制度に関しての法形成を促進する根本原理となっている場合において、その根本原理が調和をもたらしているのか、それとも何も影響を与えていないのか、あるいはまったく逆に不協和をもたらしているのか、そういうことを研究するということが課題であった。――そして私としては、調和をもたらしたというのが正解であるという印象を得たのである。まず始めに、次の証明が試みられる。つまりローマの土地の土地測量上の取り扱いが、一般的に言ってある一面では当該の領土の公法における取り扱いと、また別の面では地所の私法における取り扱いとが、それぞれ密接に関連しているということについての証明である。その際にどの程度まで個々の事例においてそういった取り扱いの仕方の証明に成功したかということについては、私はあまり自信が無い。しかしながら次のような場合には成果を上げたと言えるであろう。つまりある何かと別の何かの関連性が一般論として存在している場合に、それを発見出来たという証明を――私はそう信じたいが――、きちんと行うことが出来た場合である。そうした証明について同意していただける方は、私はそう願いたいのであるが、さらにまた色とりどりの花をまとめた花束のような様々な仮説と、その花束というのはこの公法・私法と土地制度の関係性という点でこの論文の叙述の中にちりばめられているのであるが、そして更には数多い、場合によっては必ずしも目に見えるようなはっきりとした形では把握出来ない観察事項をも、一般的な形で余録として受け取ることも出来るであろう。