リッケルト「自然科学の概念形成の限界。歴史科学への論理的入門」を入手。

「理解社会学のカテゴリー」論文の冒頭に言及されている文献の内、リッケルト(リッカート)の「自然科学の概念形成の限界。歴史科学への論理的入門」は残念ながら日本語訳が出ていません。それでドイツ語版を取り寄せようとしたのですが、これもなかなか面倒でインドの出版社によるファクシミリ版をようやく入手しました。(なお、このファクシミリ版は1ページがかすれれていてほぼ判読不能です。)
ファクシミリ版の表紙に「第一部」とあったので、第二部があるのかと思って探しましたが、結局このファクシミリ版は第一部と第二部を合本したものでした。第一部(第一~三章)が出版されたのは1896年で、第二部(第四~五章)は1902年で6年開いています。リッケルトの緒言によれば、第一部は「自然科学の方法論の限界について、つまり歴史の科学がそれではないこと」について述べたもの、第二部が「歴史科学の本質について」となっています。ヴェーバーが参照しているのは、当然両方です。
なお、邦訳がある(岩波文庫)「文化科学と自然科学」は1901年と第一部と第二部の間に出ており、著者自身が「限界」論文の入門編としても読める、と述べているので、こちらを読んでも大枠は分ると思います。(私は現在他の文献も平行して読みながらこちらを読書中です。)
なお目次部分(第二部の冒頭にあります)について、スキャンしたものを載せておきます。画像はクリックで拡大します。
ちなみに、ヴェーバーとリッケルトは一つ違い(リッケルトが一つ上)ですが、ギムナジウムでの同級生だったようです。そういう意味でヴェーバーの良き論争相手でした。