折原浩訳の問題点(138)

折原訳も創文社訳もReligiositätの訳語は、○○の一つ覚えのように「宗教性」と訳しています。でも「宗教性」ってどういう意味ですか?日本語の何とか性は便利ですけど極めて曖昧な表現です。しかし元のReligiositätはDudenでは同義語としてFrömmigkeit(敬虔さ)とGlaube(信仰)を挙げています。手元の独和辞典でも「宗教性」などという訳語は無く、「信心[深いこと]、敬虔」となっています。実は明治時代になって西洋のキリスト教やイスラム教を指す言葉として、言葉として「宗教」が採用され(単語自体は昔からあった)、その意味する所は、何かを「信じること」でした。そういう意味でReligiositätもこの明治時代の「宗教」の意味に近いものが正解です。私は基本的に「信仰」または「敬虔な信仰」と訳しています。
ただ、困るのがGlaubensreligiositätでこれはそのまま訳すと「信仰信仰」になってしまうので、この場合だけやむを得ず「信仰を重んじる宗教性」と訳しています。まあこの場合のGlaubenは絶対的救済者への無条件の「信頼」ぐらいの意味ですが。

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