“a potiori”という表現

ヴェーバーの論考を読んでて時々出くわすのが、”a potiori”というラテン語です。
“a priori”(先天的に)や”a posteriori”(後天的に)は非常に良く使われていますが、”a potiori”は私はヴェーバー以外ではお目に掛かったことが無いです。学生時代に池田先生という当時ラテン語を習っていた先生に聞いてみましたが、その先生も見たことが無いと言っていました。potiorは比較級で「より強力な」という意味なので、意味的には「より重要なものから、より目立つものから、より多くの数のものから」と言った意味になります。大体において、論文で何かを論ずる場合は重要なものから論じるのはごく当たり前のことで、こんな表現を使う必要はないと思うのですが、「中世合名会社史」にもしっかり登場しており、ヴェーバーの著作にはその生涯を通じて出て来るので、知っておいて損は無いと思います。
ちなみに昔は辞書等にはあまり出ていませんでしたが(例外的にDudenの外来語辞書には”Vom meistens her”という説明があったように記憶します)、今ググったらWikitionaryというオンライン辞書にちゃんと説明がありました。