ヴェーバーにおけるformalとformell (2)

以前、2020年3月12日のポストで、以下のことを書きました。========================================================
formalとformell
ドイツ語で英語のformalにあたる形容詞としては、formalとformell、そしてförmlichというのもあります。後の2つはほぼ同義語です。

私見ですが、ヴェーバーはformalとformellを使い分けているように思います。
これは私の解釈であってどこまで正しいかは保証致しかねますが、formalはある意味ニュートラルな表現で、ともかく外見として何かの形(form)に沿っている意味だと思います。これに対し、formellはどちらかと言えば何かの法律とか規則とかの「内容に」適合している、という感じかなと思います。またformellは口語的なニュアンスですが、「形式張って堅苦しい」といった意味もあると思います。
なので、この2つが出てきた場合、機械的に「形式的な」と訳すのは時によっては適当でないことになります。
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このformalとformellの違いは、大学時代に折原浩先生の「経済と社会」解読演習で実際に訳読作業をやりながら見つけたものでした。しかしその違いについての考察は上記の通り、非常に表面的でしたが、この度ちゃんと考察した論文を見つけました。これがどこまで正しいのかという検証はこれからですが、少なくとも学生時代の発見が間違っていなかったというのは嬉しく思います。

広渡清吾 M. ウェーバーの「法の形式的合理性」概念の位置について

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