今「中世合名会社史」の(9)の日本語化作業中ですが、ここに出て来るイタリアの古文書、いずれもインターネット上の電子化文献として参照可能です。
Histtoriae Patriae Monumenta
https://www.archive.org/stream/historiaepatria00unkngoog#page/n5/mode/2up
Decisiones Rotae Genuae (ヴェーバーはDecisiones Rotae Genuensisとしているが、間違い)
https://play.google.com/store/books/details/G%C3%A9nova_Rep%C3%BAblica_Rota_Genuensis_Decisiones_Rotae_G?id=rNkM026Zo3AC&hl=ja
参照出来るというのと読んで理解出来るというのはもちろん別の話ですが、少なくともヨーロッパの図書館まで出かけて行かなくても、自宅でこういう文献を参照出来る時代になっているということです。また、書籍での発表に比べ、インターネット上での日本語訳の公開が、こうしたリソースにすぐリンク出来るという点で優れていると思います。
このことを見ても、ヴェーバーが参照している各種文献は比較的良く知られたものが多く、このヴェーバーの論文で初めて登場するようなものは少なくとも今の所はありません。(ヴェーバーがゴルトシュミット教授から借りたものがもしかすると今後出てくるかもしれませんが。)
これだけのことからも、この論文が文献学を主目的としたものでないことが良く分かります。以前コメントしたどなたかの発言での「未だに邦訳がなされ得ない実証的研究」とは言い難いということを再度申し上げておきます。