折原浩先生訳の問題点(3)

今回は誤訳というより語彙の選定の問題です。

Sie kann aber auch individuelle Belehrung über konkrete religiöse Pflichten in Zweifelsfällen sein, oder endlich, in gewissem Sinn, zwischen beiden stehen, Spendung von individuellem religiösem Trost in innerer oder äußerer Not.

折原訳
とはいえ、それは、具体的な宗教的義務について疑いが生じた場合に、当の義務にかかわる個別的な教化でもありうる。さらには、これらふたつの場合の、ある意味における中間項、すなわち、内的ないし外的な窮境における個別的な慰藉の分与でもありうる。

丸山訳
しかしそれはまた、具体的な宗教的義務について判断に迷う場合には、当の義務に関する個別的な助言でもあり得るし、さらに状況によっては、これら二つのある意味中間的なもの、即ち内的または外的な苦境に陥っている個人に対して宗教的な慰めを施すことでもありうる 。

「内的ないし外的な窮境における個別的な慰藉の分与」って原文をより難しくて読む人に余分な努力を強いるような訳だとは思いませんか?何故もっとこなれた日本語が書けないのか理解に苦しみます。これぞ悪い意味での翻訳調でしょう。

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