折原センセ、あなたはもう学者として終わっています。

「宗教社会学」の gegen die stadtsässigen Großgrund- und Geldbesitzer gerichtetenに折原センセが付けた訳が「都市に在住する大土地所有者兼金貸しの専横を糾弾する」、さらに追い討ちをかけると言うか恥の上塗りで訳注にまたも「都市在住の大土地所有者は、遠隔地交易にも従事し、高利貸しも営み、返済不能に陥った農耕市民を債務奴隷に貶め、土地を兼併して肥太っていた。これが、古典古代の都市における典型的な階級対立であった。」と俗流マルクス主義テンプレートを繰り返しています。しかも原文は単に「都市に住む大地主と金持ちに対して向けられた」と言っているだけです。それを勝手に折原センセがくっつけてなおかつ「金貸し」という原文にないものまででっち上げています。
このブログを読まれている方にはかつて折原センセに教わった人とかお世話になった方も多数いらっしゃると思いますが、そういう方に申し訳ありませんが私はもう折原センセに対する尊敬心が0になりました。この人学者じゃないです。

折原センセの
「これが、古典古代の都市における典型的な階級対立」
が如何に間違っているか:
1.古代ローマ
そもそも貴族、騎士(エクイティ)、市民、解放奴隷、奴隷という階級とまったく一致しない。大地主は貴族、金貸しは主に騎士層。
2.古代ユダヤ
周知の通り律法で同胞に利子を取って貸し付けることは禁止。
3.古代ギリシア
アテネでもスパルタでも、市民は兵士であって基本的に金貸しなどやっていない。
4.古代エジプト
そもそも貨幣経済がまだなので金貸しなど存在しないし、また中央集権で国家が直接統治。
5.キリスト教以降
ローマ教会が利子付き貸し付けを禁止。

それにローマの自営農民が没落したのは度重なる戦争に兵士として駆り出され自分の農地を管理出来なかったのと、戦勝の結果獲得した属州(シチリア・エジプト・アフリカ)から安い穀物が大量に入ってきた、そして戦争によって獲得した奴隷を使って大地主が農園を経営して大規模生産を行ってそちらとの競争にも負けた、ぐらいは高校の世界史レベルの話です。

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