英語 call とギリシア語 καλέω (呼ぶ)の関係

昔羽入辰郎の「マックス・ヴェーバーの犯罪」批判を書いた時に、コリントI 7,20の英訳の変遷の分析で、英語の call も元を正せば ギリシア語の καλέω ではないかと思ってOEDを調べたことがあるのですが、OEDでは古ゲルマン、古チュートンまでしか遡っていませんでした。最近知ったこととしてOEDは語源については英語と直接関係ない言語までの遡及はしないというのが方針だったようです。(恣意的な語源のこじつけを避けるためと、英語と直接関係ない言語にまで探索する時間が無かったのと両方みたいです。)
ChatGPT4oに改めて聞いてみたら、やはり関係があるようです。
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英語のcallという動詞は、古典ギリシア語のκαλέω(呼ぶ)と関係ありますか?ラテン語のcalendarはおそらくギリシア語のκαλεωから派生しているように思います。(月の初めの日を声を出して布告する係がいたと聞いています。)以前Oxford English Dictionaryでcallの語源を調べましたが、古チュートン語までにしか遡っていませんでした。OEDの方針として語源は英語と直接関係のない言語にまでは言及しないということのようです。

ChatGPT:

英語の call は、確かに古ノルド語 kalla(「呼ぶ」)に遡るゲルマン系の語彙ですが、より深い語源的な関連を探ると、ギリシア語 καλέω(kaleō)と共通のインド・ヨーロッパ祖語に由来する可能性が考えられます。

call の語源

  • 英語 call の直接の起源は古ノルド語 kalla(「呼ぶ、召喚する」)。
  • これは古英語 ceallian に取り込まれ、その後中英語 callen を経て現代英語 call になった。
  • 古ノルド語 kalla は、ゲルマン祖語 kallōną から派生し、他のゲルマン諸語(例えばオランダ語 kallen, ドイツ語 kallen)にも類似の形がある。

καλέω との関係

  • ギリシア語 καλέω は、確かに「呼ぶ」「名付ける」といった意味を持つ。
  • この語はインド・ヨーロッパ祖語の kal- または kele-(「呼ぶ」「呼び出す」)に由来する。
  • サンスクリット語の kalayati(「数える」「呼ぶ」)や、ラテン語の calare(「召集する、宣言する」)とも関連がある。

ラテン語 calendar との関係

  • ラテン語 calendae(カレンダエ)は「月の最初の日(朔日)」を指し、これは布告者(calator)がその日を市民に告げる習慣に由来するとされる。
  • calendae は動詞 calare(「呼ぶ、告げる」)の派生語であり、これはギリシア語 καλέω に対応する。

結論

英語の call は直接ギリシア語 καλέω から借用されたわけではなく、ゲルマン語内部で独自に発達した語ですが、より深いインド・ヨーロッパ語族の語源を探れば、共通の祖語(kal- / kele-)に遡る可能性があります。したがって、callκαλέω は最終的には同じ語根に由来する可能性が高いですが、英語に入る過程では別々の系統をたどったと考えられます。

OEDが古チュートン語までしか遡らないのは、直接的な英語の系譜を重視するからでしょうが、印欧語族全体の視点では、より古い共通の語源を見出すことができます。

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