タイトルから「先生」を抜きました。もはや先生という敬称に値する訳者ではありません。
(1)宗教社会学が専門と自称しながら「ディアスポラ」という用語も知らないのでしょうか。「散住」は農村などで人々が間隔を空けて住んでいること(例えば古ゲルマン民族の村)であり、まったく意味が違います。
(2)タルソスとタルトゥスはまったく別の都市です。ここでは原文にもあり、またパウロの生誕地でもあるタルソスのことです。
(3)「キリスト教以後の時代」→意味不明です。「紀元後」ということです。
原文
Mindestens einem Diasporaschriftgelehrten wie Paulus waren diese Mysterien und soteriologischen Spekulationen — der Mithraskult war in Kilikien als Seeräuberglauben zu Pompejus’ Zeit verbreitet, wenn er auch speziell in Tarsos erst in nachchristlicher Zeit ausdrücklich inschriftlich bezeugt ist — sicher wohl bekannt und verhaßt.
折原訳
こうした密儀と救済論的思弁が、少なくともパウロのような散住の律法学者に、よく知られ、憎まれてもいたことは、確かである。キリキアではミトラ教が、ポンペイウスの時代に、海賊の信仰として広まっていた。とくにタルトゥスでも事情が同様であったことは、キリスト教以後の時代になってから、碑文によって確証されている。
なお、折原訳を公開しているページには下記のような注意書きを入れています。
これまでの精査の結果から、折原訳の誤訳・不適切訳の箇所は少なめに見積もっても1000箇所を軽く超えることが確実です。ここまでのヴェーバーの日本語訳の中でも間違いなくワースト1でしょう。
