(1)書籍宗教→Buchreligionをこう訳しているけど、このBuchは聖なる本=経典ということ。
(2)「書籍宗教への移行にともなってつねにもたらされるものである。」→これまた原文にはないナンセンスを持ち込んでいます。折原訳だと書籍宗教ではない前段階があったことになってしまいます。nach sich ziehenは直訳すれば自分の方へ引っ張るということ。つまりそういうことが結果として生じる、ということ。
原文
Die so bedingte religiöse Entwertung der Kunst geht naturgemäß im ganzen ziemlich genau parallel mit der Entwertung der magischen, orgiastischen, ekstatischen und ritualistischen Elemente der Religiosität zugunsten von asketischen und spiritualistisch-mystischen. Ferner mit dem rationalen und literarischen Charakter der Priester- und Laienbildung, wie ihn eine Buchreligion stets nach sich zu ziehen pflegt.
折原訳
芸術にたいする宗教的貶価は、以上のような制約のもとにあるので、それは当然のことながら、宗教性における魔術的・狂騒的・エクスタシー的・また儀礼主義的な要素の貶価、それゆえ、禁欲的また霊性主義的-神秘的要素の優越と、全体としてはかなり正確に比例して進展する。さらにはまた、祭司教育と平信徒教育の合理的また文献的性格が強まるのにも並行して進展するが、この性格は通例、書籍宗教への移行にともなってつねにもたらされるものである。
丸山訳
以上のような形で条件付けられた宗教の芸術に対する低い価値評価は、自然なこととして、禁欲的な、霊的・神秘主義的な要素を優先し、魔術的、オルギア的、エクスタシー的、そして儀式主義的な要素を低く見ることと、全体でかなりの程度までほぼ平行した現象となっている。さらには祭司・平信徒への教育の合理的で文献重視的な性格にも平行しており、そういった性格は経典宗教において常に傾向として見られるものである。