折原先生の「古代には一般に都市に在住する領主」に珍しく付けている訳注が:
「零細農民を債務奴隷に陥れ、土地を収奪-集積して大地主になると同時に、都市に在住して遠隔地交易にも携わり、その利得を農民に高利で貸し付けて収奪-兼併を強める都市貴族・不在地主層。」
何ですかこのバリバリのマルクス主義注釈は。「ローマ土地制度史」を読んでください。(笑)要するにこれは例えばローマで都市に在住した貴族が地方に農園を持ち、その管理は管理人にやらせて自分は都市に住み続けて地代だけを受け取っていた、というだけです。どっから農民に高利で貸し付けとか遠隔地交易にも携わり、とか出て来るんでしょうか。
更には”Versklavung oder Proletarisierung”と「または」とあるのを勝手に「奴隷化されると同時に無産化された。」と訳しています。古代ローマで奴隷と無産市民はまったく別の階層でそれが同時に起きることはあり得ません。