まさかと思いましたが、この訳者はje mehr …, desto mehr …(~すればする程一層~する)の初級構文(英語のthe more…, the more …)を理解していないようです。これで2回目ですので間違いないでしょう。この文章ではJe mehrで始まる文が3回出て来るのに、単なる並列のようにしか訳していません。「それだけ」は訳していますが、前のJe mehrと関連していることが分かっていません。この文章は、Aという状況で、Bとなればなるほど、Cとなればなるほど、Dとなればなるほど、それだけEとなる、という構文でそれを外すとヴェーバーが強調したかった点がぼけてしまいます。
原文
Mit wachsender Macht der Jenseitshoffnungen, je mehr also das Leben in der diesseitigen Welt als eine nur provisorische Existenzform gegenüber der jenseitigen angesehen, je mehr jene als von Gott aus dem Nichts geschaffen und ebenso wieder vergänglich und der Schöpfer selbst als den jenseitigen Zwecken und Werten unterstellt gedacht und je mehr also das diesseitige Handeln auf das jenseitige Schicksal hin ausgerichtet wurde, desto mehr drängte sich auch das Problem des prinzipiellen Verhältnisses Gottes zur Welt und ihren Unvollkommenheiten in den Vordergrund des Denkens.
折原訳
彼岸希求の力が増大してきて、此岸の世界における生活が、彼岸の生存に比してたんに一時的な生存形式にすぎないとみなされ、此岸の世界が神によって無から創造され、[生と]まったく同様に移ろい行くものと見られ、創造者自身も、彼岸的な目的と価値に従属していると考えられて、此岸における行為も、彼岸における運命に照準を合わせておこなわれるようになると、世界とその不完全性にたいする神の原理的関係という問題もまた、それだけ思考の前景に押し出されてくる。
丸山訳
来世に対する希望の強さが増していくに合わせ、つまりは現世での生がただ来世に対してただの仮の存在の形と見なされれば見なされる程、またその現世が神によって無から創造されたものであり、また同じく再び移ろいゆくもので、創造主自身がそれを来世の目的と価値の下に置いたと考えられればられる程、そしてそれ故に現世での行為が来世での運命を考慮して遂行されればされる程、それだけ一層神と世界及び世界の不完全さとの原理的な諸関係が思考の前景に押し出されて来るのである。