折原浩訳の問題点(67)

今日は誤訳ないかと思ったら、やっぱりやらかしてくれます。本当に神経の行き届いていない、下書きレベルに過ぎない雑な翻訳です。
ここではキリスト教以外の話をしているのに、何故「聖礼典を受ける資格」が出て来るのでしょうか。「聖礼典」や「秘蹟」の意味も良くわからずに訳しているということが良く分かります。「個々の特別の重罪」も原文にはないことを勝手に追加しています。schwere が「殺人罪」にしかかかっていないことは明らかです。
この方、論文のタイトルに「プロレゴーメナ」とか使う人ですから、それなりにカントは知っているんでしょうが、定言命法を理解もしていないし、実践もしていないと思います。

原文
Fast alle antiken und die meisten außerchristlichen Mysterienkulte haben dafür lediglich rituelle Reinheit verlangt, daneben galten unter Umständen schwere Blutschuld oder einzelne spezifische Sünden als disqualifizierend.

折原訳
古代のほとんど全ての密儀礼拝およびキリスト教以外のたいていの密儀礼拝は、そうした要件として、たんに儀礼上の清浄のみを要求した。それとならんでは、事情次第で、重大な殺人罪ないし個々の特別の重罪を犯せば、聖礼典を受ける資格を失うものとされた。

丸山訳
ほとんど全ての古代の、そして大部分のキリスト教以外の秘教的礼拝は、ただその礼拝に対して儀式においての清浄さを要求したし、それと並んで事情によっては程度のひどい殺人罪や個々に特別に定められた様々な罪は、礼拝への参加資格を失なわせるものとされた。

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