創文社訳も折原訳もドイツ語のAndacht(信心深い敬虔な気持ち、祈祷)を仏教用語の「帰依」と訳しています。おかしな翻訳は逆翻訳をやってみればチェック出来ます。ドイツ語で「帰依」はZufluchtであり、「避難所、拠り所、庇護を求める先」という意味です。つまり「帰依」という訳はこの意味からしてもおかしいということになります。大体創文社訳はやたらと仏教用語寄りに訳していて、それをまた折原訳が無批判で流用してしまっています。日本人に分かりやすいと思ってそうしているのかもしれませんが、学術論文で述べられたことに対して間違ったイメージを与えてしまっています。
グリム辞書の説明では、attentio、intentio、Sammlung der Gedanken auf einen Gegenstand、inniges Andenken
となっていますから、「注意、専心、思いの何かの対象への集中、内的な思考」という意味で、ここから「帰依」という日本語訳は普通出て来ないと思います。